●アンジェス(株):2021/07/25 04:45
【NHK:NEWS WEB】7/21発信
「国産ワクチン」開発はどこまで進んだ? 何が“壁”なのか?(その1)
新型コロナウイルス対策の柱となるワクチン。国内でも接種が進んでいますが、使用されているのはいずれも海外で開発されたワクチンです。
これまでアメリカ、イギリス、中国、ロシア、それにインド、キューバなど海外では、続々と新型コロナのワクチンが実用化されています。
一方、国内の製薬メーカーでは、ワクチン開発が続けられているものの、まだ実用化には至っていません。事実上の「ワクチン敗戦」ではないかという声も聞かれる中、国産ワクチン開発の現場では、大きな壁を乗り越えようと模索が続いています。国産ワクチンの開発はどこまで進んでいるのか、最前線を取材しました。
(科学文化部 記者 三谷維摩)
<国産ワクチン開発 臨床試験に進んだのは4社>
国内メーカーの新型コロナワクチンで、実際にヒトに投与する「臨床試験」まで到達できているのは、7月20日の時点で、次の4社となっています。
◎大阪のバイオベンチャー企業「アンジェス」
「DNAワクチン」の開発を進める。国内勢としては最も早く臨床試験入りし、現在は新薬の承認までに必要な臨床試験の3つの段階(フェーズ1、2、3)のうち、「フェーズ2/3」という段階に進んでいる。
◎大阪の製薬大手「塩野義製薬」
「遺伝子組み換えたんぱく質ワクチン」の開発を進める。「フェーズ1/2」という臨床試験を行っている。
◎製薬大手「第一三共」
「mRNAワクチン」の開発を進める。「フェーズ1/2」という臨床試験を行っている。
◎熊本の製薬企業「KMバイオロジクス」
「不活化ワクチン」の開発を進める。「フェーズ1/2」という臨床試験を行っている。
このほか、ベンチャー企業の「VLPセラピューティクス・ジャパン」は、独自の技術を使った「RNAワクチン」という方式で、7月に臨床試験の実施に向けた書類を審査機関に提出しました。
また、日本の研究者が海外の企業と共同で国内での臨床試験を行うケースなどもありますが、国内メーカーのワクチンはいずれもまだ実用化されてはいません。