●アンジェス(株):2021/01/19 11:11
通常国会が昨日18日に召集されました。首相演説の冒頭では「まずは安心を取り戻すため、深刻な状況にある新型コロナを一日も早く収束させる」と述べています。この取り組みの帰趨が菅政権の命運に直結していると言っても過言ではないと思います。
政府は、東京五輪開催を展望し、ファイザーやモデルナ、あるいはアストラゼネカ等の海外ワクチンの供与を得るために契約を結んできました。ファイザー社から国内承認申請が出されたこともあり、予定としては2月下旬からの接種が予定されている。だが、ファイザー社は世界各国と供給契約を結んでおり、その上、向こう3~4週間にわたり『出荷ペースを落とす』と発表したことも報じられており、菅首相が折衝に当たる事務方にハッパをかけたものの、予定通り日本へ供給されるかは未知数です。
では、国産ワクチンの進捗状況はどうなっているのか。
第1/2相臨床試験の治験結果は「当初の見込み以上に、有効性としての免疫原性の分析に時間を要している為、データが揃い次第、発表させていただく予定です」となっているが、安全性が確認できるので、第2/3総臨床試験は関西・関東の8施設で治験が実施されています。
この500名規模の第2/3相臨床試験は、第1/2相試験での用法用量における安全性、免疫原性を、症例数を増やして評価しつつ、ワクチンの最適な用法容量を確定する後期第2相の内容を含みつつも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発症予防効果を検証するプラセボ対照の500名規模の第3相比較試験を実施するものです。したがって、この第2/3相臨床試験の終了を区切りとして、ワクチンの安全性及び有効性が確認されれば、国内承認基準は確保されるので、国の主権として特例的早期承認は可能なのです。それは、WHOでも認められていることなのです。
しかし、ワクチンを世界的規模で供与していく場合には国内基準より承認基準が厳しく、治験者数も1万人から数万人規模の臨床試験が必要になるのです。
アンジェス連合のワクチンも規制当局との協議を経て、海外を含む1万人から数万人規模の臨床試験を実施する方向が確認されていますが、それは国際基準の承認を得ることを目的としたもので、それが国内基準の承認にとって必要条件になっているわけではないのです。まず国内承認を行い、次に国際基準の承認をという手順になるべきです。