●アンジェス(株):2020/08/19 04:28
昨日18日、アンジェスから新型コロナ予防DNAワクチンの開発に係る臨床試験についてのIRが出されました。
内容としては、大阪市立大学医学部附属病院において実施された、第1/2相臨床試験で、低用量及び高用量含め予定通り、全ての接種が完了したとの報告と、今後も引き続き接種間隔および接種回数等を検討する別の第1/2 相臨床試験を実施するとのものです。
<動物を対象とする非臨床試験>
大阪大学:アンジェス連合がワクチンの共同開発に着手したのが3月5日。そして着手以来、3月24日には世界最速でプラスミドDNAワクチンの原薬が完成し、動物への投与を行う非臨床試験準備が整いました。
ちなみに非臨床試験の動物はマウス、ラット、サルなどの動物への投与を行い、抗体価産生力、有効性および安全性の確認を行うとされています。そして、3月26日に非臨床試験が開始され、5月25日には動物へのワクチン投与で、抗体価上昇が確認できたことをご報告されています。
<人への第1/2 相臨床試験の実施>
動物を対象とする非臨床試験の結果は独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)にも報告がされ、6月30日以降の人への臨床試験が許可されています。
厚生労働省の山本史大臣官房審議官もその事を裏図けるように、アンジェスから提出された治験届の中で、動物を対象に行われた非臨床試験報告で「人への治験前に一定の安全性を確認」と報告しています。
アンジェスの臨床試験はフェーズ1とフェーズ2を組み合わせ、ワクチン開発を加速する方法を取っています。
このことから見ると、6月30日に報告された大阪市立大学医学部附属病院において30名を対象として実施された臨床試験はフェーズ1に相当するものです。したがって、昨日18日に出されたIRの内容は、ワクチンの安全性及び有効性を更に高める工夫を加え、10月に予定されている400~500名規模のフェーズ2の臨床試験に繋げていくものです。
フェーズ3についての取り組みについては、現段階では明確になっていませんが、世界的な流れとして、パンデミックの間、ワクチンは正式な承認を得る前に緊急使用許可を受けることが可能です。それが実現できれば、経済の再生、及び東京五輪の開催に繋げる道が開ける思います。