●アンジェス(株):2020/08/20 08:43
【日本経済新聞】8/朝刊:抜粋
新型コロナワクチンの賠償、国が責任!!
海外製薬から調達促進
政府は新型コロナウイルスのワクチンを使って健康被害が生じた場合、製薬会社の代わりに賠償する方針だ。ワクチンは各国間の獲得競争が激化しているため、海外メーカーが日本に供給しやすくする。次の国会に新法を提出して早期成立を目指す。
世界保健機関(WHO)によると新型コロナのワクチン候補は160種以上あり、臨床試験を始めたのは30程度になる。
早く接種できるほど感染者や死者を抑えられるため、各国は実用化が不透明な段階で製薬会社と供給契約を結ぶ。国民の生命に関わる争奪戦を各国が繰り広げている。
日本政府は米ファイザー、英アストラゼネカそれぞれと1億2千万回分の供給を受けると合意している。とはいえ各社は各国と契約を結んでおり、日本への供給が後回しになる懸念もある。塩野義製薬など国内勢も開発中だが実用化は海外勢より遅く、量も乏しい見込みだ。来夏には東京五輪・パラリンピックがあり、政府はさらに海外からのワクチン調達を増やす考えだ。
政府は現在、海外の3~5社と弁護士を交えて交渉している。海外の製薬会社は「ワクチンの副作用による健康被害で損害賠償を求められたら対応できない。国が肩代わりしてほしい」と求めているという。
ワクチンは人種によって有効性や安全性が変わる場合がある。米欧で十分な数の臨床試験をして効果が判明したワクチンでも、日本で接種した際に予想外の副作用が発生する可能性もある。
海外では感染症のワクチンによる健康被害について、国が賠償を肩代わりする例は多い。
米国では不正がないことなどを条件に緊急時は製薬会社に免責権を与えている。厚生労働省の資料によると新型インフルエンザのワクチンの調達では、英独仏などが損失を国が補償する条項を盛り込んでいたという。
日本でも2009年に新型インフルのワクチンを輸入する時に、海外企業に補償する特別措置法を整備した。
WHOや米食品医薬品局(FDA)は現状をパンデミック(世界的大流行)と判断し、通常とは異なるワクチン開発を認めている。