●アンジェス(株):2020/05/06 05:36
【医薬通信社】(その4)
大阪大学大学院:臨床遺伝子治療学森下竜一教授に聞く
来春にも新型コロナ感染予防DNAワクチン実用化へ!!
森下氏は、新型コロナ感染予防DNAワクチンの抗体産生能力向上のための施策として「阪大と共同開発中のDNAワクチンにおけるファンペップ社と、ダイセルの参画」を挙げる。ファンペップ社では、抗体産生力が高く、より有効性の高い次世代ワクチン開発に向けて、大阪大学及び同社との間で、 アジュバント様作用(免疫反応を増強して効果を高める作用)を有する「AJP001」または エピトープ(新型コロナウイルスの一部の抗原ペプチド)ワクチンである「抗体誘導ペプチド」を DNAワクチンに併用投与する共同研究を実施している。
アンジェスと大阪大学では、新型コロナワクチンの開発においても、こうしたファンペップ社のペプチド技術を用いることで、抗体産生力が高く、より有効性の高い次世代ワクチンの開発を目指している。
一方、ダイセルが開発した新規投与デバイス「アクトランザラボ」の使用による遺伝子発現効率やDNAワクチンの抗体産生力向上にも期待が寄せられる。同デバイスは、火薬を駆動力として針を用いることなく薬液を特定の組織内に送達する技術を備えている。
動物モデルを用いた研究によると、従来の針を用いた注射と比較して、送達場所の正確さに加えて遺伝子発現効率を高めることが報告されている。皮膚内は、筋肉内に比べて免疫担当細胞が多く存在することから、ワクチンの効率を高める。
森下氏は、「ファンペップ社やダイセルのテクノロジーにより、ワクチンの投与量・回数の減少、より強力な感染予防効果や重症化が抑えられるなどの臨床的なメリットが期待される」と明言。その上で、「アンジェスでは、新型コロナウイルスに対するワクチンの有効性をさらに高めた第二世代の新型コロナ感染予防DNAワクチンの開発にも着手しており、来年以降の実用化を目指している」と明かす。