●アンジェス(株):2020/02/13 02:43
HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」について(その2)
<閉塞性動脈硬化症の重症度:症状とFontaine分類>
初期の症状は、下肢の冷感やしびれ感を感じます。進行すると、ある一定の距離を歩くとふくらはぎや太ももが重く感じたり、痛みを感じたりします。ひと休みすると症状はおさまり、再び歩くことができます。
さらに、安静時にも痛みが現れるようになり、靴ずれなどがきっかけで足に潰瘍ができ、時には壊死(えし)に至ります。
日常診療において、閉塞性動脈硬化症の症状分類である、Fontaine分類(下記)が用いられます。
1.FontaineⅠ度 : 無症状・冷感・しびれ感(軽度虚血)
しびれと冷感が症状としてあらわれます。
まだ初期段階ですからそれほど血行不全はないため、無症状やすぐに症状が消失したりする場合も多くなります。しびれや冷感は動脈硬化による足の血液の流れ の悪化によるもので、急激な運動や連続歩行後に症状としてあらわれます。また皮膚の皮下脂肪の委縮や脱毛といった皮膚変化もみられます。
2.FontaineⅡ度 : 間歇的跛行期(中等度虚血)
この段階では歩行時に特定の筋肉が硬直したり痛んだりして、歩きにくくなるという症状があらわれますが、これは血液が十分足へ供給されないことによります。そして若干休憩すると血液が再び保たれ、また歩けるようになります。
3.FontaineⅢ度 : 安静時疼痛期(高度虚血)
安静時にも足に痛みを感じる。
超高磁場3.0テスラMRIを用いた非造影MRI(MRA)検査を実施し、早期発見・早期診断に力をいれています。
4.FontaineⅣ度 : 潰瘍、壊死期(重度虚血)
重度虚血 壊疽や潰瘍が見られる。
具体的な症状として、血行の悪い場所から皮膚の壊死や潰瘍が起こり、治りが遅くどんどん患部が広がっていきます。最悪の場合は足の切断を余儀なくされることもあり、一刻も早く適切な治療を受けなければなりません。
特にⅢ度とⅣ度は「重症虚血肢」と呼ばれていて、足の切断を余儀なくされる場合もある重篤な疾患です。