●アンジェス(株):2019/12/22 14:18
エメンド社は最先端の遺伝医学の最前線におり、深刻な病気や障害を引き起こす生細胞の遺伝子変異を修復および排除できるゲノム編集技術を開発しています。
そのエメンドを設立当初から資金的に支えてきたのが武田製薬の武田コーポレートベンチャーアームと世界のヘルスケア業界に重点的に投資しているオルビメド(OrbiMed)です。オルビメドには、80人を超える著名な科学、医療、投資、その他の専門家から成り、世界中の公開企業と民間企業の投資全体で約140億ドル、円換算で1兆5260億円を管理している世界有数の投資会社です。
エメンドには取締役会や経営管理メンバーには医師やや分子生物学、タンパク質工学、バイオテクノロジーに精通している人がほとんどです。ある意味では遺伝子の役割解明やゲノム編集技術の探求等の実践的な研究機関の最前線にあるような特質があると言ってよいと思います。
武田ベンチャーズ及び武田製薬のエメンドへの設立当初からの資金援助及び今年4月の追加投資によるライセンスオプション契約締結は自社の創薬事業にとってエメンド社の新型の遺伝子編集工学プラットフォームを使用することとなるので有益です。
対してオルビメド(OrbiMed)の投資の狙いは何かといえば、単なる投資資金の回収による利益ではなく、エメンドの将来的な企業価値が大きく発展することを見越した上での先行投資的な意味合いを持つものと思います。だからこそオルビメド(OrbiMed)はエメンド社の取締役会の理事に自社出身のエレズ・シモヴィッツ氏を送っているのです。エレズ氏はオルビメドのシニア・マネージング・ディレクターで、上場企業での10年間の上級管理職経験を含め14年の業務経験を有しています。
そうした人物をオルビメドがエメンド社に投資した上で送る意味は単なる投資資金の回収ではなく、エメンド社を世界有数の遺伝子医薬の頭脳センターに育て上げ、投資・回収の好循環を創りあげることが真の目的であると思います。
エメンド社の上場企業への発展をも見定めながら、アンジェスは自づからの遺伝子医薬のグローバルリーダーとしての道を歩むために5000万ドル、円換算すれば54億円の戦略的投資を決断したと思います。
評価は語るにまかせよ。今は自ら信じた道を進むのみ!