●アンジェス(株):2024/05/30 08:09
2023年12月期決算短信の経営成績の概況では、コラテジェンの販売や、ACRLの手数料収入、OMNIプラットホーム技術に関する研究開発事業収益を合わせて、事業収益金が1億5200万円となっていることが報告されています。
また、5月10日に発表された2024年12月期第1四半期決算でも、ACRLの手数料収入の伸びや、エメンド社のOMNIヌクレアーゼの非独占的使用権について、スウェーデンのアノッカ社とライセンス契約を締結し、契約一時金を研究開発事業収益として7400万円計上できたことが報告されています。
こうしたことは将来、開発マイルストーンや、製品化された場合のロイヤリティを受け取る可能性があるもので明るい材料ではあるのですが、アンジェスの子会社を含めた経営状態は、依然として継続的な営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあります。そのため、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しており、それをどのように解消していくかが問われています。
そのためには第44回新株予約権の発行による資金調達や、第2回無担保転換社債型新株予約権付社債の取り組みがありますが、それらを進める上でも開発プロジェクト、とりわけコラテジェンの本承認申請の結果がどうなるのかがポイントになると思います。
コラテジェンについては、2023年5月31日に厚生労働省に対して条件解除に向けた本承認の申請を行っているので、あとは医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査チームが本承認申請に対する可否を決定し、その審議内容をまとめた審査結果通知書を厚生労働大臣宛にいつ報告するかという段階だと思います。その審査結果通知書が大臣宛に届いた場合、厚生労働省としては薬事・食品衛生審議会(再生医療等製品・生物由来技術部会)に諮問し、その審議の結論を持って本承認申請の可否を決定するものと思いますので、審議会の開催を待ちたいと思います。
また、米国におけるコラテジェンの後期第2相臨床試験の取り組みについては、脱落例を想定した経過観察も終了しているので、2024年第2四半期の時期にはトップラインデータを発表する予定と報告されていますが、次のステップに進むことが出来る治験結果を期待したいと思います。