●アンジェス(株):2024/04/22 03:17
【会社説明会でのACRLについての質疑】(その2)
【司会】次に山田社長にお伺いしますが、なぜACRLで、そもそも検査業務をするようになったのでしょうか。
【山田】この話は数年前にさかのぼることになります。副腎白質ジストロフィー(ALD)と呼ぶ病気がございまして、この病気は実は小さい子供ときには見受けられないのですが、5~6歳ぐらいのときに発症してくるもので、運動神経がキーになるものです。
そうした患者会の方々と親交がございまして、そうした観点から新しい薬を考えて戴けないかと言う中で、アメリカのボストンにあるバイオ関連の会社のCEOと話をする機会がありましたので、開発している薬を日本に持っていきたいと話したところ、CEOの彼が言うには、この遺伝子治療薬は、まだ開発の途中なんだけれども、自分たちがこれまで試験をした中では、生まれてから24か月以内に治療を施さないと完治しないのだと言われ、それではどうすれば良いのかを尋ねたのですが、生後の赤ちゃんの血液検査を徹底すべきだとの話を戴きました。
日本では、そうした発想はございませんでしたが、一部遺伝病の検査は自治体でやっていた経緯はありましたが、こうした試みは行われておりませんでした。
当然のことながら、日本だけではなく、アメリカでも新生児の検査はやっていないということことでしたが、州ごとの取り組みが行われるようになり、今では全ての州で、こうした診断を受けることができるようになっています。私共も、それを見習って北海道から沖縄まで実施できるようにと思ってきたところです。
【司会】アメリカでも全州でということでございますけれども、24ヶ月以内の治療が必要とのことであれば、これは早期発見と治療が必要になってくる訳で、その辺の重要性を大越さん、どのようにお考えですか。
【大越】先ほどのALDを含めてですけれども、我々が取り組んでいる疾患に関しては、すでに有効な治療薬とか治療法というものがあるにもかかわらず、一度発症してからの治療ということでは、それまでに失われた機能というものを取り戻すことが出来ないことが一番の問題になりますので、希少疾患であるだけに、希少疾患の確定にたどり着けるまでの時間も要するということで、新生児スクリーニング検査で早期に発見することが重要だと思っています。