●アンジェス(株):2023/12/31 08:44
掲示板にも報告されていますが、イスラエルのハーレツ・グループが発行する日刊ビジネス新聞TheMarkerでは「買収から3年後、日本の製薬会社アンジェスはレホボトの遺伝子編集会社エメンド・バイオを閉鎖する」と伝えています。さらに記事では次のように報じています。
「今回の閉鎖は、多くの従業員にとってまったくの驚きであり、親会社が直面している財政危機によるものと思われる。買収当時、東京証券取引所で約20億ドルの評価額で取引されていたアンジェスは、現在1億ドル(日本円で138億円)以下の評価額で取引されている。アンジェスはまた、COVID-19ワクチンを開発するプログラムを立ち上げた後、日本政府から潤沢な資金提供を受けていた。アンジェスは現在、四半期に数十万ドルというわずかな収入しかない」と。
そして、従業員からの取材の声として「株価が暴落するのを心配しながら見ていましたが、少なくとも、技術を完全に成熟させるために会社を売却しようとするだろうと予想していました。まさか閉鎖するとは思っていませんでした。胸が張り裂けそうです。従業員でさえ、閉鎖に納得していない」と。
確かにアンジェスの財政事情からすれば、子会社エメンド社への財政支援は限界にきていると言えますが、事業閉鎖による全従業員に近い解雇の形をとったのかは、正直なところアンジェスによる説明を待たなければ、その真意がどのようなものであるかは判然としないところがあります。
エメンド社の事業をたたむ目的での事業閉鎖・従業員解雇ということであれば、そもそもエメンド社の買収による子会社化は、遺伝子医薬のグローバルリーダーになるための不可欠の条件であるとする目的自身も達成できなくなると同時に、エメンド社買収のための投資も貸付金も未回収に終わることになり得るのです。
アンジェスが行った今回の対応策が、そのようなものであるとは思えないので、事業閉鎖・解雇の目的がどのようなものであるのか、また今後のエメンド社の事業運営をどのように考えているのかについて、株主の皆さんが注目をしているので、きちんと報告をして戴きたいと思います。
アンジェスは12月29日から2024年1月4日まで、年末年始休業日とさせていただきますと報告しているので、1月5日以降の早い時期に対応されることを望みます。