●アンジェス(株):2023/12/14 09:58
2020年12月にエメンド社を子会社化した時の人員はニューヨーク本社の4名ほどの人員を含めて、50名ほどでしたが、現在は氏名が確認されている人だけでも115名の
人員となっています。その構成員の約8割が研究開発要員で占められ、タンパク質工学、分子生物学、遺伝子編集システムの専門知識を持つ人材が結集しています。
エメンド社はイスラエ中部のテルアビブ近郊に研究施設を有しておりますが、ハマスとの紛争による地政学的リスクがありますが、現時点では従業員の安否や社屋への被害等重大な影響は報告されていないことから、ゲノム編集による研究開発は継続されています。
◆アンジェスは11月13日に、関東財務局に四半期報告書を提出していますが、その中で、エメンド社のゲノム編集技術を用いた研究開発の取り組みについて、次のように報告されていますので紹介しておきます。
➀エメンド社では、様々な遺伝子疾患について、その疾患と遺伝子変異の分子機構の理解に基づき、疾患に応じてゲノム編集戦略を構築し、数多くのOMNIヌクレアーゼの中から適切なヌクレアーゼを選択し、それをさらに標的配列に対して最適化して、これまでゲノム編集では対象とできなかった疾患を含め、様々な疾患に対する安全で有効な治療の開発を進めております。
➁なかでも、ELANE関連重症先天性好中球減少症では、対立遺伝子配列の一方のみの変異により発症するため、その治療は、ほとんど同じ配列をもつ対立遺伝子のうち、変異のある遺伝子のみを破壊するという非常に精度の高いゲノム編集が必要となります。
➂エメンド社では、ELANE関連重症先天性好中球減少症を対象とするゲノム編集治療について、2023年度中に米国での臨床試験開始に向け、FDAと協議を継続しています。また、家族性高コレステロール血症(FH)を対象とするゲノム編集治療についても臨床試験に向けた研究開発を継続しております
➃また、当第3四半期には、エメンド社のOMNIプラットホーム技術に関して、評価のための試験試料等を有償で提供しております。しかしながら、今般のイスラエルとパレスチナにおける紛争の影響次第で、エメンド社のイスラエルにある研究施設における研究開発の進捗への影響が懸念されます。