●アンジェス(株):2023/10/30 08:56
丁度1年前になりますが昨年10月、東洋経済の大西記者が、アンジェスの山田社長にインタビューをした記事の前編については掲示板でも紹介されましたが、後編の記事は「アンジェスの黒字化の必須条件は何か」と、「買収したエメンド社の収益化をどう図るのか」について質問し、それに山田社長が答えている内容が掲載されていますので、インタビュー記事の後編の一部を紹介しておきます。
【大西記者】2002年の上場以来、株式市場から大量の資金調達をしつつも一度も黒字化できていません。将来の展望を示す必要があるのではないですか?
【山田社長】その通りだ。そういう時期にきている。だが、日本で2019年に条件付き承認を取得した遺伝子治療薬の「コラテジェン」では、本承認が今後取れても、今の赤字を埋める収益を上げるのは難しい。
さらに、コラテジェンでは、効能追加を目指して進めていた「安静時疼痛」の治験で失敗し開発中止を発表しました。よほど痛みが明確でない限り、薬の有効性を示す統計的有意性を示すのは難しい。今回試験を中止したのは、いま開発に見切りをつけないと株主にはとても説明ができない段階にきていたからだ。
とはいえ、対象とする日本の市場規模から考えれば治験中止の影響は大きいものではない。むしろ、当社の調査では、アメリカでこの疾患・適応で承認されている薬はなく、この薬の適応対象になる患者数は10万~20万人と見ている。
なので、アンジェスの生命線はアメリカのコラテジェンだ。アメリカで承認を取れば大型の医薬品になる可能性は十分ある。アンジェスとしてはここにこれから注力をしていく。ここがこれからの勝負になる。
【大西記者】コラテジェンの、アメリカでのフェーズ2b治験は、開始からすでに2年以上が経ちます。進捗は?
【山田社長】遅くとも2022年内には全治験患者への薬の投与が終わる。
データが出て、次の段階に行くかどうかも含めて判断ができるのはおそらく2023年の後半になる。あくまで私の期待だが、このデータが良ければ、フェーズ3の結果が出る前に承認を取得できる早期承認を狙いたい。アメリカ市場は半端でない大きさなので、条件付きでもいいから早く市場に出す努力をしたい。