●アンジェス(株):2023/12/08 08:40
アンジェスの山田社長は、三菱化成に入社し、その後そーせい、宝酒造を経て50歳の時、アンジェスの事業開発本部長として入社し、翌年アンジェスの社長に就任しています。
アンジェスに入社して23年が経過していますが、人には言えない苦労もあったと思います。コラテジェンの開発については「率直に申し上げますと、非常に長い時間をかけてここまでやってきました。青写真のない前例のない開発でしたので、企画・製造含めてトライ&エラーの連続でした。ただ、過去の臨床試験の結果から確信を持っておりましたのでギブアップすることなくやってこれました」と広報ブログで語っています。
そのコラテジェンですが2019年3月に条件および期限付き承認を得て以降、120例の製造販売後承認条件評価を行い、集計結果が従前申請の治験結果の再現性が確認できたと判断できたので5月31日に、条件解除に向けた本承認の申請を厚生労働省に提出し受理されています。審査結果については2024年3月で期限とされている5年を迎えるので、その頃までには本承認についての結果が出るものと思います。
米国におけるコラテジェンの後期第2相臨床試験の60人の患者登録については2022年12月に完了しており、更に脱落例をふまえて2023年第1四半期に数例の登録追加を完了しており、現在は投与後の経過観察が実施されています。
米国での後期第2相臨床試験の対象患者は、2019年6月に公表されグローバル治療指針を踏まえて、下肢切断リスクの低いステージⅠ~Ⅱ度の患者を対象に実施しています。このステージⅠ~Ⅱ度の患者の治療はガイドラインでも、初期段階から適切な治療マネージメントを提供することで患者の生活の質(QOL)の向上につながるとして推奨されています。
治験結果については1年間の経過観察を経て、臨床試験のデータを確定すると言われているので、2024年前半には結果が判明するのではないかと思います。
山田社長は、「データが良ければフェーズ3の結果が出る前に承認を取得できる早期承認を狙いたい。条件付きでもいいから早く市場に出す努力をしたい」と語っていたので、結果が良ければ優先審査と迅速承認の機会を得られるRMAT指定制度を活用して、早期承認申請を行うかどうかの検討がされるのではないかと思います。