●アンジェス(株):2023/07/27 08:56
米国で実施してきたNF-κBデコイオリゴDNAの後期第1相臨床試験の治験結果は2021年4月にトップラインデータが発表されていますが、治験結果については重篤な有害事象は認められず、高い安全性が確認されています。有効性についても投与早期より腰痛は大幅に軽減し、腰痛の抑制は投与12ヵ月後まで継続したことが確認された報告されています。
この結果を受けて山田社長は、「米国での臨床試験で、椎間板の高さを回復させる可能性が示唆されたことは、椎間板の変性を抑制する可能性を秘めている。我々は、今回の結果を確認するために臨床試験をさらに進め、FDAおよび世界の他の規制当局からの販売承認取得を検討する予定である」と語っていました。
その後アンジェスは、2023年1月に国内開発についてのIRを発表し、3月には
塩野義製薬と協力して国内第2相臨床試験に取り組むことを取締役会で決議したとのIRを発表しています。また、今年5月に発表された2023年12月期第1四半期決算短信では「日本国内での第Ⅱ相臨床試験の準備を進めており、当該試験に関して塩野義製薬株式会社と契約を締結し、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実施について協議する予定です」と、報告がされています。
アンジェスからの報告は以上ですが、フィスコ客員アナリストの佐藤譲氏が執筆した「アンジェス Research Memo(4)」が7月19日付で配信されていますが、その中では、 NF-κBデコイオリゴDNAの取り組みについて一歩踏み込んだ内容のレポートが発表されていますので、その一部を紹介しておきます。
「同社ではこの臨床試験結果を受け、国内での開発を進める方針を決定した。国内でも慢性椎間板性腰痛症患者は多く、事業化が可能と判断したためだ。第2相臨床試験計画書を医薬品医療機器総合機構に提出しており、2023年内にも開始できる見通しとなっている。試験内容や主要評価項目は米国で実施した臨床試験とほぼ同様で、投与量については10mg投与群の有効性が高かったことから、10mgを中心に複数に分類し実施する。症例数は約90例で試験期間としては2~3年を見込んでいる」と。
◆佐藤譲氏のレポート内容は、具体性に富んだ記事内容となっているので、裏どりをされて執筆したものと思います。