●アンジェス(株):2023/06/19 09:40
2020年8月に厚生労働省が行った、新型コロナワクチン開発に係る「生産体制等緊急整備事業」(第一次公募)にアンジェスが申請窓口になって支給された補助金93億8000万円については、厚生労働省の資料にもあるように支給対象企業としてはタカラバイオ・AGC・カネカ等の生産体制の整備に当てるとなっていて、既に生産体制の整備が一段落していることから、この補助金支給については返還対象にならないことは掲示板でも共通認識になりつつあるように思います。
論議になるのは、アンジェスが日本医療研究開発機構(AMED)から新型コロナワクチンの開発費としてから助成された一次公募の20億円と、金額が明示されなかった二次公募分の助成金であると思います。
日本医療研究開発機構(AMED)による確定検査の結果通知を受領したことから、助成金収入として営業外収益に計上されたことが、2022年6月16日に1億1800万円があったので、時期的には近くAMEDから、使用実績の監査を受けた結果の発表があるのではと思います。
日本医療研究開発機構(AMED)による確定検査が済んでいない前受金については、5月10日に発表された「2023年12月期第一四半期決算短信」にもあるように、負債の部に57億6400万4000円が計上されています。
ですので、「2023年12月期第一四半期決算短信」の負債の部に前受金として計上されている57億6400万4000円が、日本医療研究開発機構(AMED)から、使用実績の監査を受けて、適正として認められたものがワクチン開発の助成金収入として確定し、営業外収益として計上されることになります。AMEDによる使用実績の監査にあったっては、AMEDとアンジェスの間で事前に実務的な折衝が行われて監査報告がされると思うので、もし適正なものとして認められない支出内容があった場合は、アンジェスとしては、負債の部に計上されている前受金から速やかに返還するものと思います。
けれども、計上されている前受金からAMEDの使用実績の監査を受けて、一部返還すべき金額があったとしても、即それが、アンジェスが国を騙した助成金詐欺に当たるとは、言い得ないのです。