●アンジェス(株):2022/11/23 06:00
そこが聞きたい、国産ワクチン開発(その3)
――国産ワクチンが完成すれば、海外製品に対抗することは可能?
【石井教授】日本の企業はそこに注力して開発を進めていると思う。「メード・イン・ジャパン」は安全で高品質というブランド力はまだ健在だ。世界への輸出を目指すなら、日本のブランド力を生かしたワクチンを開発してほしい。
★聞いて一言
予算が少ないことに加え、確実に成果・収益を生まなければ、という空気も国産ワクチンの研究開発を停滞させている要因と感じた。ワクチン開発を支える基礎研究への予算拡大も必要だ。「開発できる人材育成が課題」という石井さんの挑戦に注目したい。
★新型コロナウイルスワクチン開発
厚生労働省によると、塩野義製薬や第一三共などを核とする複数のグループがmRNAや遺伝子組み換えタンパク質などを利用した新型コロナウイルスワクチンの開発を進めている。国は各グループに約170億円~535億円を助成。アンジェスグループには約170億円を投じた。
◆石井健(いしい・けん)氏
1968年福岡県生まれ。横浜市立大医学部卒。米食品医薬品局客員研究員などを経て2019年から東京大医科学研究所教授。ワクチンの効果を高める物質について研究している。