●アンジェス(株):2022/09/01 08:49
アンジェスは8月31日、広報ブログで「夏のうちに海外委託先から正式なデータが上がってくる予定とお伝えしておりましが、委託先での臨床試験結果の解析に時間を要しており、半月程度遅れる見通しとなりました」と報告しています。
けれども、正式なデータが上がってきてから、医薬品医療機器総合機構(PMDA)と、今後の取り組みを協議するということではなく、高用量治験の主要成果指標である緊急有害事象の発生や、有効性のバロメーターとなる免疫原性に係る分析については時間枠が第13週となっていることから、中間報告が提出されていると思われるので、規制当局とは一定程度の協議は進められていると思います。
したがって、正式データをもとにした最終的な詰めの協議があるとしても9月中には、治験結果がIRで開示されると思います。
高用量の第1/2相臨床試験では、接種方法として筋肉内接種に加えて皮内接種の企業治験が実施されています。その双方の試験で求められる有効性が確認されることが望ましいのですが、今後のDNAワクチンの展望からすれば、やはりパンデミックに対応した第一世代の筋肉接種よりは、少ない投与量で同等程度の効果が得られる可能性がある、第二世代の皮内接種で良いデータが得られれば薬剤コストの低減にもつながるため、その結果を注目したいと思います。
9月中旬以降に報告される高用量製剤での治験結果で、先行品と同等程度の有効性が確認できれば高用量の第2/3相臨床試験に進むのか、あるいは国際医薬品規制当局連合(ICMRA)が公表したガイドラインに基づく、海外を含めてた3千人規模の臨床試験に進むかは医薬品医療機器総合機構(PMDA)との協議になるが、いずれの場合でも、親ワクチンの承認に向けた次のステップの取り組みとなるので歓迎したいと思います。
そして今後の治験にあたっては、海外を含む3000名規模の治験となった場合でも、費用については国から応分の助成があるので、チームアンジェスとしては、大船に乗った気持ちで治験に臨んでもらいたいと思います。
ともあれ、そこに至るには、まずもって高用量治験で、次のステップに進むことができる結果となることが重要なので、それを期待して報告を待ちたいと思います。
このような取り組みは、今後どのような感染症が発生した場合でも、有益で貴重な経験として生かされていくと思います。