●アンジェス(株):2022/08/15 08:44
新型コロナ予防用ワクチンについては、これまで第Ⅰ/Ⅱ相及び第Ⅱ/Ⅲ相の臨床試験を実施してきたが、分析の結果、「安全性において問題はなく、細胞性免疫においてある程度の上昇を確認したものの、液性免疫については期待する効果を得ることができず、今後さらに有効性を高める必要がある」として、2021年8月に高用量製剤での第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を、接種方法を筋肉接種と皮内接種の2種類で取り組み、2021年11月に目標症例400例の接種を完了しています。
山田社長も8月10日に開催した機関投資家・アナリストを対象とした、2022年12月期第2四半期の決算説明会で、「この夏のうちに正式なデータが上がってくる予定」と語っているので、8月中には試験結果が報告されると思います。
では、高用量製剤による治験結果とは何かと言えば、具体的には高用量製剤の治験情報にも示されていますが、主要アウトカム指標については、①緊急有害事象の発生率や、②免疫原性の調査として、中和活性の変化や、スパイク(S)糖タンパク質の特異的抗体の幾何平均力価の変化を測定するものです。この主要アウトカム指標と言われる成果指標は調査時間枠が13週になっていることから、既に中間報告が出ている可能性は高いのですが、まず当局に報告をして、次の取り組みについて協議を行いながら、主要成果指標に続く二次的成果指標を含む全体的な分析報告を待って、「この夏のうちに正式なデータが上がってくる」と山田社長が言っているのだと思います。
これまで、大阪市立大学医学部附属病院、及び大坂大学医学部附属病院で実施された第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験、そして500人規模の第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験についても「安全性において問題はなく、細胞性免疫においてある程度の上昇を確認したものの、液性免疫については期待する効果を得ることができず」と報告されてきたことに対して、会社説明会参加者から、「治験報告に数量的報告がないのはどうしてか」という趣旨の指摘を受けたことに、山田社長も「その辺を含めて、どのような報告が出来るか検討して見たい」と答えている経過があったと思います。
どの様な結果報告となるか予断は出来ませんが、出来れば、待ちに待った報告だけに親ワクチンの承認に進むことが出来る治験結果であることを望んでいます。