●アンジェス(株):2022/01/04 07:26
新年、明けましておめでとうございます。
海外に比べれば日本では、新型コロナの変異型「オミクロン型」の発症件数は少ないと言えますが、それでも各地から市中感染の報告が徐々に増えている状況です。
アンジェスの新型コロナワクチンの開発状況についてはご承知のように、第1/2相臨床試験および第2/3相臨床試験(症例数500例)の結果については、昨年11月5日付で発表されており、それぞれの臨床試験において安全性は確認できたものの、有効性については期待する効果が得られなかったことが報告されています。こうした結果の事前予測もあり、アンジェスでは有効性を高めるための取り組みとして、昨年8月より高用量製剤での第1/2相臨床試験を実施しています。
現在実施している第1/2相臨床試験では、接種方法として筋肉内接種に加えて新たに皮内接種も実施しています。皮内接種は筋肉内接種よりも少ない投与量で同等程度の効果が得られる可能性があり、大阪大学で実施された医師主導の治験を引き継いだ形でアンジェスによる企業治験として取り組んだものです。なお、皮内接種のデバイスはダイセル社が開発した薬剤送達デバイス「アクトランザTMラボ」を用いています。皮内接種で良いデータが得られれば、薬剤コストも低減できることになり、その結果が注目されます。
なお、高用量製剤による第1/2相臨床試験の400症例については昨年の11月10日にIRで接種完了の報告がされていますが、臨床試験の主要評価項目である免疫原性の測定は海外の専門会社に委託していると思いますが、治験結果の報告時期については、まだ明らかになっていません。
昨年12月、医療関係者から始まったブースター接種については海外ワクチンに依存しなければならない現状ですが、今後も海外ワクチンが予定通り入荷されるかどうかは不確定な状況もあるので、その意味でも国産ワクチンの開発は必要です。
なお、高用量製剤による追加の試験は日本医療研究開発機構(AMED)のワクチン開発推進事業の支援を受けて行われてきたものであり、国産ワクチンの実用化に向けてアンジェスも、本腰を入れて新型コロナワクチン開発に取り組んでもらいたいと思います。