●アンジェス(株):2022/06/01 17:37
アンジェスは本日6月1日、米国のアイガー・バイオファーマシューティカルが権利を持っている希少疾患治療薬ゾキンヴィに関する日本における販売契約締結における契約一時金の支払いとして75万米ドル(1ドル換算130円の場合:9750万円)を6月30日に支払う予定であることを決定しました。
「ゾキンヴィ」は遺伝子疾患の一種で早老症と呼ばれる「ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)」と「プロジェロイド・ラミノパチ(PL)」の初の治療薬です。化学合成で作る「低分子化合物」とよばれるタイプの治療薬で、早期の老化などを引き起こすタンパク質の蓄積を阻害する治療薬です。
こうした疾患は遺伝子変異によって起こる病気で、これまで治療法がなかったのです。HGPSの患者は平均14.5歳までに心臓病などで死亡しています。この治療薬の臨床試験で、ゾキンヴィを投与した患者の同年齢時点での死亡率は6割下がったことが確認されていますが、米国では2020年秋に承認されています。
アンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(旧衛生検査所)では、21年7月から新生児への遺伝子検査を各自治体と協力し、約30種類の疾患を対象におこなっていますが、早老症は含まれていなかったのです。アンジェスの検査事業は早老症を含めた遺伝子疾患を検査でき、今後はアンジェスでで早老症の遺伝子疾患を発見した新生児にゾキンヴィを国内承認を取得し投与することが可能となります。
アンジェスは今後、希少遺伝性疾患の診断から治療に至るまでの包括的な検査を実施できる体制構築を築き上げていくと思います。