●アンジェス(株):2022/04/20 10:40
チームアンジェスが新型コロナウイルスに対応したワクチンの共同開発に着手宣言したのは、2020年3月5日なので2年1ヶ月余の年月が経過しています。
この間の経緯を振り返ると、動物を対象にする非臨床試験を経て、人への臨床試験が開始されたのが大阪市立大学医学部附属病院、及び大阪大学医学部附属病院での第1/2相臨床試験を経て、関西及び関東圏の8施設で500名規模の第2/3相試験に取り組んできました。
これらの治験結果については発表が延び延びとなり、2021年11月5日にまとめて治験結果が発表されています。三つの治験結果については、報告文書の表現に多少の差異はあるが、第2/3相臨床試験の下記の治験報告に集約されているで、報告しておきます。
「治験結果: 安全性に問題はありません。有効性としての細胞性免疫はある程度の上昇を確認しましたが、液性免疫の誘導は一部の被験者で認めたものの、期待する効果を得ることができず、さらに有効性を高める必要があることを確認いたしました。有効性を高めるために、高用量製剤を用いた第 1/2相臨床試験を2021年8月に開始しており、今後は高用量製剤の開発に注力してまいります」と。
高用量製剤による第1/2相臨床試験は筋肉内接種と皮内接種で、計400症例の治験が実施されています。2月に発表された2021年12月期:オンライン決算説明会レポートの中で山田社長は「夏ごろには結果をお示しできる可能性があります」と報告しています。なお、山田社長が
「免疫原性の測定は、投与後8週目、12週目、24週目、52週目に測定することを原則としています。1回目接種12週後が一つ大事な判定の時期だと考えております。」と述べたことに、「12週目の結果を中間報告で発表する予定はありますか?」との質問があり、それについては「その予定です。ただし、この結果については、まず当局に報告をするべく、WHOが指定する海外の測定機関からの結果を待っているところでございます」と答えています。
この中間報告時期については即断できませんが、時期的に見て、5月連休明けごろには可能ではないかと思います。この中間報告は、チームアンジェスのコロナワクチンが、今後順調に進むか否かのターニングポイントともなるので、期待をしつつ注目したいと思います。