●アンジェス(株):2022/01/15 04:36
昨日、朝日新聞で、シリーズで報道している「瀬戸際の感染症4」の中で、
「周回遅れのベンチャー支援」と題した記事に
「アンジェスの山田社長の映像も大きく映し出されている。」として
「I」さんが前半部分を文字起こしして、掲示板に紹介してくれました。
これからの資料にもなるので、全文を紹介しておきます。
・……………………………………………………………………………………・
【日本経済新聞】1/14朝刊
周回遅れのベンチャー支援
アンジェスの山田英社長を取材(その1)
米欧での新型コロナワクチンや治療薬開発で大きな役割を担ったのが、新興の製薬企業だ。常識を覆す新薬の実用化は、イノベーションを支える市場や政府の取り組みの成果でもある。日本は、その仕組みづくりでも周回遅れになっている。
「新型コロナ予防のためのワクチン開発に着手したことをまず申し上げたい」
2020年3月5日。創薬ベンチャー、アンジェス(大阪府茨木市)の山田英社長が記者会見した。山田氏は大手化学メーカーやベンチャー企業を経て2002年にアンジェスの社長に就いた。「素早く動くのがベンチャーの使命」と、大手製薬に先駆けて名乗りをあげた。自信はあった。前年には世界初の技術による遺伝子治療薬を実用化。インフルエンザワクチンのでも手応えを得ていた。
だが、その後の苦戦は東証マザーズに上場した株価が物語る。発表後、6倍前後まで膨らんだ株価は、期待が薄れるにつれて下落をつづけた。足元では、もとの400円前後に戻っている。
2020年6月に国内初の治験を始めたまではよかったが、効果が上がらない。自社の研究開発部門は30人に満たない。治験薬を作るにも協力会社の力が必要になる。
委託先の工場は先約で数カ月先まで埋まっていた。もし、いくつもの治験を同時並行で進めていたら結果は違っていたかもしれないが、山田氏は「(コストを増やすような)思い切った経営判断は難しかった」と。