●アンジェス(株):2022/01/10 04:47
<ガリレオch「国産ワクチン最前線」どうなった?>(その3)
【質問】大阪大学DNAワクチンのオミクロン株への対応は?
【森下】オミクロン株に対して既に構造が判明してきた。その情報を元にしてオミクロン株のスパイク遺伝子をプラスミドDNAに組み込みDNAワクチンの原型を作っている。
【質問】国産の新型コロナウイルスワクチンを開発する必要性は?
【森下】日本は幸いファイザー、モデルナの優れたワクチンを2つ手に入れ、全国民にほぼ摂取可能できる状態。しかし、次になにか起こった場合、ワクチン争奪戦は今回以上に激しくなると想定できる。その場合、お金だけでワクチンを買い続けることができるか? それは賭け。
国民の命を守るという点では対処法を整える必要がある。もし、早くワクチンが実用化できるならば、ワクチンが手に入らない国へ供与するということも重要。
【質問】大阪大学DNAワクチンが実用化に至っていない理由は?
【森下】大阪大学DNAワクチンを含め国産ワクチンが実用化に至っていない理由は、率直に言って準備不足。大阪大学DNAワクチンのケースで言えば、用量を上げれば有効性が高くなることはわかっていた。一方で用量を増すと供給できるワクチンが減る。例えば1000万人に打てるワクチンを作っても5倍の容量にしたら200万人。まずは用量の少ないDNAワクチンから試験をはじめ多くの方への供給を目指した。しかし、mRNAワクチンの効果を考えると有効性を高める必要があるということで方針転換を余儀なくされた。
幸いにして、現在はタカラバイオや国からの支援によって生産体制が整ってきた。
ワクチンの用量を多くしても生産が可能になったことから、高用量製剤の試験に挑んだ。