●アンジェス(株):2021/12/03 07:00
昨日11月2日、エメンド社のホームページが更新されました。
アンジェスが先進的なゲノム編集技術を有する米エメンドバイオ社の発行済株式の100%を取得し、子会社化することを発表したのが、一年前の11月9日。
現在、遺伝子治療で開発されている主な手法としては、「プラスミド」「ウイルスベクター」「ゲノム編集」の3つがあり、このうちゲノム編集を用いた治療法はまだ製品化されていません。ゲノム編集は、特定の塩基配列(ターゲット配列)のみを切断するDNA切断酵素(ヌクレアーゼ)を利用して、遺伝子を改変する技術で、世界中でヒトへの適用が待ち望まれています。
エメンド社は、合成生物学を駆使することで、ゲノム編集の領域で対応できる適応症を拡大し、いままで治療できなかった疾患を治療することを目指しています。
エメンドバイオ社が独自開発したOMNIヌクレアーゼ(酵素)は、標的ごとに最適化され、より精度高く、誘導された場所の特定の場所を切り取ることができる。
さらに、OMNIヌクレアーゼを用いたゲノム編集では、対をなす対立遺伝子の一方を傷つけることなく、もう一方のみをターゲットにして編集できるアレル特異的遺伝子編集を実現しています。これによって、片方の遺伝子だけに異常がある数多くの優性疾患を初めて治療することが可能となったのです。
OMNIヌクレアーゼを用いたアレル特異的遺伝子編集は、ゲノム編集による治療の適用範囲を大きく広げることができると期待されています。今後考えられる適応症としては、がん、神経系、眼科、皮膚科、免疫疾患、血液系、循環器系、治療法のない常染色体顕性遺伝子疾患、厳密な発現調節を要する遺伝子疾患など多岐にわたりますが、エメンド社もその中の幾つかを開発パイプラインと取り上げ、研究・開発に取り組んでいます。
アンジェスの山田社長は、「当社の持つ製造管理に関するノウハウなど商業化に必要な知見と、エメンドバイオ社が持つOMNIヌクレアーゼが融合することで、ゲノム編集技術の人への適用により近づく」と、ゲノム編集技術を用いた遺伝子治療用製品の早期の実用化に期待を寄せています。
◆エメンドバイオ社の上場は、開発パイプラインの研究・開発に成功し
実用化に道を切り開いた段階で具体化されると思います。