●アンジェス(株):2021/11/22 18:02
国立医薬品食品衛生研究所 遺伝子医薬部ホームページよると、2021年8月時点で承認されている核酸医薬品は15品目あります。しかし、遺伝子医薬品の開発が本格化するのはこれからで、今は、その黎明期にあると思います。
アンジェスは、遺伝子医薬開発の最前線の位置にあるエメンド社のゲノム編集技術を駆使して取り組んでいるテーマに沿って、広報ブログで5回に分けて報告することを伝えていましたが、その第1弾の「ELANE関連重症先天性好中球減少症のゲノム編集治療」について発表がありました。
広報ブログで説明していますが「ELANEは好中球エラスターゼ遺伝子の呼び名です。好中球は、通常は体の中で造血幹細胞から絶えず分化・成熟してまいります。しかし、ELANE遺伝子に異常があると、好中球に分化しようとする細胞でこの遺伝子が働き始めた時に、異常なタンパク質が作られることによって好中球が成熟できなくなり、その結果、好中球数が減少します。好中球は細菌感染に対して体を守るという大切な役割を担っています。好中球が少なくなると、感染制御ができず、感染を繰り返したり、感染症で死亡することもある」難治性の高い疾患です。
好中球エラスターゼ関連の重症先天性好中球減少症(SCN)の治療については広報ブログでは
「異常のある遺伝子を削除することが必要なのですが、この時、正常な遺伝子を傷つけないようにしなければなりません。このためには、両親から受継いだ2つの遺伝子間のたった1ヶ所の違いを識別し、正常な遺伝子を傷つけずに異常な遺伝子のみを編集できる精度が必要で、偶然似たDNA配列を持つ関係のない遺伝子を編集してしまうリスク(オフターゲット効果)がないというだけでは不十分です。
このような高精度なゲノム編集技術は、あらゆるゲノム編集治療を安全に行うために必須な技術であり、エメンド社では、このような高精度なゲノム編集技術を開発し、あらゆるゲノム編集治療に用いることを目指しいる」と報告しています。
エメンド社の科学チームは、タンパク質工学、分子生物学、遺伝子編集システムの専門知識を組み合わせています。高効率を維持しながら精密な遺伝子編集を行う技術を持っています。これらの技術を生かし、これまで治療不可能と考えられていた疾患に苦しむ多くの患者さんへの、最適な治療方法を確立してほしいと思います。