●アンジェス(株):2020/05/23 15:13
新興企業の株式相場がここ2カ月間ほぼ一本調子で上昇している。マザーズ指数は3月19日につけた底値からこれまでに66%上昇、同期間の日経平均株価の上昇率(23%)を大きく上回った。
個人マネーが向かった分野の一つが創薬ベンチャー企業だ。バイオ関連銘柄は通常でも治療薬開発への期待を受けやすいうえ、コロナ禍でワクチン開発への関心が高まりやすい。
大阪大学と共同でワクチンを開発するアンジェスは3月上旬、400円台だった株価が5月上旬に一時2400円台まで上昇。22日も日本医療研究開発機構が公募したワクチン開発の支援先に採択されたとの発表を受けて一時8%高となった。売買代金が1日1000億円を超えた日もある。
バイオ株といっても対象医療分野は多様で、ワクチン開発と無関係の企業も多い。それでも多くの銘柄に個人マネーが流入し、株価は軒並み上昇している。
個人がけん引する新興株高は今後どうなるのか。その勢いが鈍る兆しもある。
新興市場では「成長を期待できる有力銘柄が少なくない」(三菱UFJ国際投信の中川雅嗣シニアファンドマネジャー)との指摘も多い。活況がいつまで続くのか注視する必要はある。