●アンジェス(株):2020/05/02 08:35
★三ツ村 崇志[BUSINESS INSIDR編集部](その7)
早く・大量生産できる新型コロナ国産ワクチンについて
開発者の大阪大学:森下竜一教授に最新状況を聞く!!
🔶性急な臨床試験で、安全性は十分担保されるのでしょうか?
【森下】当然安全性の試験はしっかりと進めます。
また、すでにある程度安全性について確認済みのものを利用しているので、その面での心配は低いと考えています。アジュバンドなどを加えるにしても、もう臨床現場で使われている物質、承認されている物質を使う予定です。
あらためて全く新しいものを開発すると、その承認に時間がかかりすぎてしまいますから。
🔶臨床試験で効果が思うように出なければ、開発のやり直しになるのでしょうか?
【森下】第1世代でどの程度効果があるのかは分かりませんが、パンデミック用のワクチンの開発では、どうしてもそうした問題が起こります。また、仮に第1世代のワクチンを投与したときにできる抗体が少なかったとしても、ある程度の効果を見込んで接種を進めていくことになると思います。
また、効果が思うように出なくても、バックアップとして準備している第2世代のDNAワクチンがあります。第2世代の開発は、2021年の前半に間に合えば良いかなというくらいです。
🔶世界中で開発が進められていますが、日本のワクチンはどういった立ち位置なのでしょうか?
【森下】モデルナやイノビオなど、アメリカの企業ではすでにヒトでの臨床試験に入っているところもあります。
ただし、アメリカで仮にうまくワクチンができたとしても、それが日本にやってくるまでには時間がかかります。まずは、自国が優先になるはずです。加えて、仮に技術を提供してもらい日本で同じものをつくろうとしても、まったく同じ結果にはなりません。
そういう意味では 複数のワクチンを並行して開発し続けるしかないと思います。少なくとも、自国でパンデミックに対応できる体制を整備しないといけません。