●アンジェス(株):2024/07/27 08:52
2021年4月、川崎生命科学・環境研究センターに衛生検査所を開設し、新生児の遺伝性疾患を調べるためのオプショナルスクリーング検査を提携先の一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)を通じて検査受託サービスを開始したのは2021年の7月からです。翌年2月に名称をアンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)に変更していますが、設立からかれこれ3年3ヶ月が経過しています。
検査数も2022年12月期の1万件から2023年12月期は2万件となり、2024年12月期も4万件以上が見込まれ、2倍強のペースで拡大する見込みとなっています。これはCReARIDによる取り組で提携医療機関が増加していることが要因となっていますが、オプショナルスクリーニング検査の必要性に対するACRLによる積極的な活動により認知度が向上したことも検査数の増加につながっているのだと思います。
日本で生まれてくるすべての赤ちゃんは、国からの支援を受けて自治体が実施している新生児マススクリーニング検査を無償で受けることができます。その検査対象の疾患は20症例となっていましたが、2023年秋に「こども家庭庁」は、有償のオプショナルスクリーニングの検査対象であった脊髄性筋萎縮症と重症複合免疫不全症の2つについては地域的な取り組みにバラつきがあるとして、公費が負担する新生児マススクリーニング検査対象に加える方針を固め、2024年度からはそれを含めた3つの病気を加え、23疾患の検査を行うことになっています。
ただ自治体の検査体制としては、追加になった脊髄性筋萎縮症と重症複合免疫不全症について、検査体制が整っていないところもあり、ACRLではそうした自治体からの受注も見込まれます。
これまで有償オプショナルスクリーング検査として9疾患を検査してきましたが、2疾患については自治体の実施する新生児マススクリーニング検査に移行することになるので7疾患となりますが、アンジェスがゾキンヴィについて、2024年1月18日に厚生労働省から国内販売承認を得ることができたので、その対象疾患であるハッチンソン・ギルフォード早老症症候群(HGPS)および早老症ラミノパチー(PL)について、有償のオプショナルスクリーニングの検査として実施できるよう準備を進めているとのことです。