●アンジェス(株);2024/06/14 08:30
HGF遺伝子治療用製品コラテジェンは、血管が詰まっている部位周辺に注射投与することによって新たな血管を作り出し、血流回復によって潰瘍の改善を図るもので、国内では2019年3月26日に「標準的な薬物治療の効果が不十分で、血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善」を効能、効果または性能として、厚生労働省より条件及び期限付き承認を取得しています。
コラテジェンは、田辺三菱製薬を通じて2019年9月10日より販売を開始していますが、条件及び期限付き承認の場合は承認日から5年以内に、「十分な知識・治療経験を持つ医師の下で、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設でコラテジェンを使用し、症例全例を対象として製造販売後承認条件評価を行うこと」が定められており、本承認の申請の期限は2024年3月25日となっていました。
コラテジェンの本承認については、販売を担当した当時の田辺三菱製薬の三津家正之社長が、2024年の本承認に向けた製造販売後承認条件評価の取り組みにについて、「投与患者120例は3年ほどかけて集めたい」と本承認にむけた決意を語っていました。
こうした関係者の尽力もあり、使用成績比較調査のための目標症例数120例と比較対照80例の患者登録については2021年12月に完了し、その後1年間の経過観察期間を経て、解析計画書に基づいた分析を行い、その結果、従前申請の治験結果の再現性が確認できたことから、2023年5月31日に厚生労働省に対して条件解除のための本承認の申請を行っています。
現在まで、コラテジェンの本承認申請の可否を審議する薬事・食品衛生審議会(再生医療等製品・生物由来技術部会)の開催通知がまだ出されていないようですが、いずれにしても、申請から1年以上経過していることから、アンジェスによる申請の取り下げは考えられないので、PMDAがまとめた審議結果報告書が厚生労働大臣に提出されることを待って、厚生労働省としては薬事・食品衛生審議会に諮問し、その審議の結論によって、本承認申請に対する可否を決定するものと思います。
厚生労働省としては、条件及び期限付き承認の条件解除を求める本承認の申請が初めてのケースであるので厳正なる審査で、申請に対する可否を決定するものと思います。