●アンジェス(株):2023/11/10 08:54
アンジェスは2018年7月に、イスラエルのバイオテク企業であるマイバイオティクス社との資本提携を発表しています。資本提携の目的は、体内の微生物の生態系であるマイクロバイオーム(微生物叢)が次世代の医薬研究開発分野として世界的に高い注目を集めており、アンジェスはこの領域のパイオニアであるマイバイオティクス社と提携することでマイクロバイオームの事業可能性を探ことにあります。
マイバイオティクス社は、世界に先駆けて腸内細菌を含む常在菌の培養、製剤化において、その品質や腸内における生存率を向上させる技術を開発しています。これは、マイクロバイオーム医薬の実用化に必須の重要な技術であり、同社はマイクロバイオームの事業化競争において高い優位性を持っています。すでに、開発製品パイプラインの中で胃腸疾患や婦人科系疾患については大手製薬企業とライセンス契約を締結して製品化を目指しています
2022年11月にアンジェスは、マイバイオティクス社が発行する転換社債を50万USD(約6913万円)で引き受けていますが、その理由は、マイバイオティクス社がイスラエルで実施してきた全微生物叢治療薬の第1相試験が2022年1月に完了していることから、次の前期第2相臨床試験を米国で行う予定となっているので、そのための資金調達への協力のためです。
マイバイオティクス社がイスラエルで実施してきた第1相臨床試験は、抗生物質治療後の再発性及び重症クロストリジウム・ディフィシル感染症治験薬として開発してきたものですが、2022 年1月にはイスラエルにおいて健康なボランティアを対象とした第Ⅰ相臨床試験を終了し、良好な結果をが得られております。 今回の転換社債による資金調達によって得た資金で、同開発品の米国における前期第Ⅱ相臨床試験の準備を進めていく予定です。
なお、米国での取り組みについては今年8月14日に、アンジェスが関東財務局に提出した四半期報告書の中では次のように報告されています。
「マイバイオティクス社では、腸内細菌叢の微生物の構成を再現した培養物の製造法を確立しており、クロストリジウム・ディフィシル感染症の治療薬MBX-SD-202の第1相臨床試験をイスラエルにおいて完了し、今後の開発を米国で実施するべく、FDAと協議を行っております」と。