●アンジェス(株):2023/02/04 08:57
エメンド社の買収が完了した2020年12月に、山田社長は
「エメンド社買収により、ゲノム編集においてエメンド社が持つ技術であるOMNIヌクレアーゼを用いた遺伝子治療用製品の実用化を加速させていく。この実用化には、アンジェスの20年にわたる遺伝子治療用製品の開発経験により培われた国際的規制を踏まえた前臨床、CMC、臨床開発のノウハウ、及びGMPに沿った製造管理に関するノウハウ等、商業化に必要な知見が活かされる」と語っています。
そして2023年1月16日付けの広報ブログのトップメッセージで、山田社長は
「世界では、新たな医薬品、治療方法等が次々に開発され、現在研究開発の最先端を走るのは、ゲノム編集という技術です。ゲノム編集は、米国を中心に開発競争が激しくなっています。投資家も注目しており、実用化が大いに期待されています。このような世界的な開発競争に挑んでいくのは当社グループにとってとても大きなチャレンジになりますが、この荒波を乗り越えてこそ遺伝子治療のグローバルリーダーとしての地位を築き上げることができると確信します」と語っています。
エメンド社の社長兼CEOであるデビッド・バラム博士が、2023年1月5日に発表している企業プレゼンテーションの中では、これまで研究してきた血液学分野で重度の先天性好中球減少症の治療法の確立に取り組んでいることが報告されています。また、肝臓関連の家族性高コレステロール血症の治療戦略の確立に向けた研究、そして遺伝性疾患だけをターゲットにせず、眼科分野で白内障に次いで世界第2位の失明原因であると言われている緑内障の治療にも取り組んでいることが報告されています。
この中で最も臨床入りが早い取り組みは、重度の先天性好中球減少症に対する取り組みですが、それについては2022年11月に、アメリカ食品医薬品局(FDA)に申請する治験届けについて、プレINDミーティングが行われています。
そして、臨床入りのためのこれまでの非臨床試験の実施内容を含めて安全性等については、2022年第4四半期~2023年第2四半期に掛けてFDAに報告を行う予定であり、臨床試験入りの申請(IND)についても、2023年第3四半期の時期に行う予定であることが記述されています。
こうした取り組みが順調に進むことを期待したいと思います。