●アンジェス(株):2022/06/18 17:04
3月に開催された株主総会および会社説明会の中で、参加者から「AMED内にSCARDA(先進的研究開発戦略センター)が設置されましたが、このSCARDAはアンジェスの事業に対してメリットになるのか」という質問が出され、それに対して、大阪大学の森下先生が次のように答えています。
CDC(アメリカ疾病予防管理センター)に類するような、国内における感染症の司令塔としての役割を担う組織としてSCARDAが作られました。SCARDAができたことは非常に大きなプラスだと思っています。今回SCARDAが設置されたことで、今後具体的に、特に東南アジアと共同で行う臨床試験を積極的に日本としても取り組むということも記載されています。新型コロナウイルスDNAワクチンの臨床試験を海外で行うことは、アンジェスのようなベンチャーにとっては大変でした。
今回こういう司令塔ができたことは世界的にワクチンを供給するという点でも非常にプラスになってくるだろうと思います。これから先、日本発のワクチンが世界市場にも出ていかなければいけませんが、SCARDAが出来たことは非常に大きな鍵になると思います」と。
この、先進的研究開発戦略センター(SCARDA)は2021年6月に開催されたワクチンサミットのホスト国であった日本が、今後の感染症対策を戦略的に進める必要があるとして司令塔の設置を昨年6月に閣議決定したことに基づいて、今年3月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の中に新設された組織です。
SCARDAは産学官・臨床現場の連携により、基礎研究から実用化に向けた開発まで一気通貫で、戦略的に研究開発を推進することになります。
今後の取り組みの課題としては、感染症有事に備え、より強力な変異株や今後脅威となりうる感染症にも対応できるよう、戦略性を持った研究費のファンディング機能の強化、世界トップレベルの研究開発拠点の形成、創薬ベンチャーエコシステムの強化を推進するとされています。
★各省庁による寄せ集めの弊害を排して、今後の感染症有事に備えて、名実ともに
我が国の司令塔の役割を担っていただくことを期待したいと思います。