●アンジェス(株):2020/07/03 04:23
アンジェスは昨日IRで、開発中の高血圧DNAワクチンに関して、先月6月の日本における特許取得に続き、米国でも特許を取得したとの報告がありました。
発明の名称は「DNAプチペド併用ワクチン」、特許番号は「US10695420]です。
この高血圧DNAワクチンについては、大阪大学と共同で特許出願ものが、すでに米国において2016年9月に特許(米国特許第9,446,120号)が成立しています。したがって今回改めて、米国で高血圧DNAワクチンについて特許を取得したのは以前に取得した特許より内容的に進化したものと思います。
現在アンジェスは、オーストラリアで高血圧DNA ワクチンについて第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を行っています。この臨床試験では、24 例の軽度から中等度の高血圧患者を対象として実施し、安全性及び有効性を確認するものです。
現在、高血圧の治療においては多くの経口医薬品が使用されていますが、これらの薬は毎日忘れずに服用する必要があるのに対し、注射剤であるDNA ワクチンは一度の投与で長期間にわたって効果が持続することが期待されていることから、特に服用の難しい高齢の方を中心に患者さんの利便性は大幅に向上します。
高血圧治療の医薬品市場は国内だけで、主力のARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)を中心に約5,000 億円と巨大であり、この一部を代替することを目指す高血圧DNA ワクチンには非常に高い事業性が期待されています。また、発展途上国では、薬価の高いARB は有用性が高いに関わらず医療経済上の問題から使用は限定されており、発展途上国でのニーズも極めて高いと考えられます。
アンジェスは、時間との闘いとなっている新型コロナ予防DNAワクチンの開発・製造と併せて、国内・米国で臨床試験を実施しているHGF遺伝子治療薬、そして米国及び日本で特許取得した高血圧DNAワクチンの開発を大きな事業の柱としながら、エメンドへの追加投資の完了をもって、遺伝子医薬のグローバルリーダーとしての確実な一歩を踏み出すものと思います。