●アンジェス(株):2020/05/02 08:11
★三ツ村 崇志[BUSINESS INSIDR編集部](その1)
早く・大量生産できる新型コロナ国産ワクチンについて
開発者の大阪大学:森下竜一教授に最新状況を聞く!!
世界中で流行が続く、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。その治療薬やワクチンの開発は急務とされている。
世界保健機関(WHO)の報告では、世界で70を超えるワクチンの開発プログラムが進んでいる。
日本でも3月5日、大阪大学と大阪大学発のバイオベンチャー「アンジェス」が、従来のワクチンとは異なる「DNAワクチン」という手法を用いたワクチンの開発に取り組むことを表明。3月24日には、動物実験用の原薬の開発に成功している。
アンジェスの創業者であり、DNAワクチンの開発に取り組む大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学の森下竜一教授に、DNAワクチンの開発状況、そして今後の対コロナ戦略について話を聞いた。
森下教授はアンジェスの創業者。現在は同社のメディカルアドバイザーを務めている。
🔶森下先生はどのような研究をされているのでしょうか?
【森下】私は大阪大学で血管を再生させるための遺伝子治療薬を研究していました。その実用化のために設立した会社がアンジェスです。
そこで2019年、大腸菌を培養することで得られる「プラスミドDNA」(環状のDNA)に、血管の再生に利用できる遺伝子を組み込んだ治療薬「コラテジェン」の実用化に成功しました。
意図した遺伝子を組み込んだプラスミドDNAを体内に投与することで、体内で治療に必要とされる物質がつくられます。 厚生労働省から販売の認可が降り、世界初のプラスミドDNAを使った遺伝子治療薬となりました。
他にも、プラスミドDNAをベースに、血圧を上げるホルモン(アンジオテンシンII)に対する抗体をつくるDNA治療薬の開発にも取り組んでいます。高血圧のDNAワクチンです。
2020年3月には、オーストラリアで臨床試験を開始したことを報告しました。 来年には、結果が出てきます。