●アンジェス(株):2023/04/24 08:53
カナダのバソミューン社とアンジェスが共同開発しているTie2受容体アゴニスト化合物(AV-001)は、もともと急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の治療薬として開発してきたものですが、新型コロナウイルス感染症による中等度から重度の感染症肺炎患者向けの治療薬としても効果があると判断し、2020年より米国で臨床試験を開始しされたもので、現在は2022年1月から前期第Ⅱ相臨床試験として、米国で取り組まれています。
この前期第Ⅱ相臨床試験の一次完成の時期は、当初は2022年5月30日となっていたものですが、米国での新型コロナウイルス感染症の感染者が急減したこともあり、臨床試験データベースに2023年5月までと延期した経過があります。
そのため、新型コロナウイルスの変異株によって肺炎による呼吸不全を起こす患者数も減少傾向にあることから、バソミューン社では、新型コロナ感染症による肺炎患者に限定せず、臨床試験の対象疾患については「インフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群(ARDS)」 に広げるため米国FDAに申請し承認を受けることが出来たことが、2022年12月のアンジェスのIRで報告されています。
この経過は、世界の臨床試験のデータベースであるClinicalTrials.govに、2022年12月1日付けで、AV-001についての対象疾患の拡大が報告されています。なお、前期第2相臨床試験についての推定一次完了日の時期は、一度変更した2023年4月が現段階でも変更がなく、推定試験完了日も2023年5月となっていることから、患者登録は予定通り進んでいるのではないかと思います。