●アンジェス(株):2024/11/12 08:30
3月28日に開催された定時株主総会後の会社説明会で、デビット・バラム氏に代わってエメンドバイオ社のCEOに就任した佐藤尚哉氏が、イスラエルにおけるエメンド研究所でのOMNIヌクレアーゼの開発状況について次のように語っています。
「ゲノム編集というのは、オフターゲット効果は許されないので、エメンド社が独自に開発したOMNIヌクレアーゼの開発については、実験を何回も繰り返して高性能なものを選別していくという課題がありました。人も時間もお金が掛かりましたが、それをやったからこそ、非常にたくさんのデータが蓄積することができました。そのデータに基づき、コンピュータで解析を加えることによって、全試作品の実験をしなくとも性能を予測できる、その予測性能が格段に向上したという状況がございまして、今では効率的にOMNIヌクレアーゼを選別できるという体制に変ってきました」と。
つまり、人も時間もお金もかけて、特許取得が可能と思われるものを250種類ほど開発してきたのですが、これまでの労働集約的業務から、コンピューターを活用した知識集約型の研究開発体制に移行できたことと、苦しい財政事情もこれありイスラエルのエメンド研究所の人員については2023年末に在籍していた105名を75名人員整理をし、30名ほどでOMNIヌクレアーゼの活用と開発にあたるという方針を3月に発表したのだと思います。
人員削減を含む事業再編成については、2024年第3四半期の時期には概ね完了するとのことでしたが、アンジェスの連結子会社を含む従業員数は2024年6月現在で62名と発表されているので、「AnGes USA, Inc.」を含めたアンジェス関連の従業員数は40名となっているので、エメンド研究所の従業員数は22名と言うことになると思います。
2023年の暮れ、イスラエルの現地マスコミが新聞報道でイスラエル研究所の閉鎖と全員解雇が報じられたときは、エメンド社の先行きがどうなるのかと掲示板でいろいろ議論がありましたが、3月15日に発表した連結子会社であるエメンドバイオ社の事業再編成に一定の区切りがついたのであれば、アンジェスからイスラエルのエメンド研究所の現状報告と、今後のエメンドバイオ社の目指すべき方向性を報告して戴きたいと思います。