●アンジェス(株):2024/11/07 08:31
エメンド社のイスラエル研究所の人員は2023年の9月の時点では115名ほどだったと思いますが、昨年10月に始まったハマスとの紛争もあり、エメンド研究所からも10名ほどがイスラエルの軍関係に参加しているので、2023年12月の時期は人員が105名ほどだったと思います。
昨年暮れ、イスラエルの現地マスコミが新聞報道で、イスラエル研究所の閉鎖と全員解雇が報じられましたが、アンジェスは今年1月になってメンド社研究所については、イスラエルとパレスチナの戦闘が昨年10月以来継続しているため、地政学的リスクを考慮するとともに、エメンド社研究所の縮小と米国への展開を含めた再構築を検討しておりますと発表しています。
そして3月15日に発表されたIRでは、今後は親会社としてエメンドバイオの経営を主導していくとして、アンジェスの佐藤尚哉氏がCEOに就任することを発表しています。そして、イスラエルのエメンド研究所の人員も75名ほど削減し、OMNIヌクレアーゼの開発のための人員を中心に30名ほどの人員で運営していく方針を出しています。
こうした大幅な人員削減を含む事業再編成に取り組むに至った理由ですが、イスラエルとパレスチナの戦闘による地政学的リスクはあるとしても、それが第一義的なな理由ではなく、OMNIヌクレアーゼの非独占的使用権についてのライセンス契約については数社と行ってきたと言われながらも具体化な進展がなかったことや、ELANE関連重症先天性好中球減少症の臨床入についても、延びのびとなり、事業運営資金の確保の目途が立たなかったことが背景にあったと思います。
エメンド社の価値は、単に開発したOMNIヌクレアーゼの貸し出しによるライセンス契約の締結だけではなく、自社の開発パイプラインのゲノム編集による治療法の確立も大きな意味を持つのですが、2024年6月に発表された連結子会社を含む人員から計算するとエメンド研究所の人員は22名であり、当面はOMNIヌクレアーゼの引き続く開発と、効率的なOMNIヌクレアーゼの検索業務が軸となると思います。
なお、人員削減を含む事業再編成は2024年第3四半期の時期には完了すると言われていたので、米国の体制を含めて、イスラエル研究所の人員を含む事業再編成がどうなったのか、アンジェスへ報告をお願いしたいと思います。