●アンジェス(株):2024/10/25 08:22
アンジェスは3月15日に連結子会社における事業再編成についてのIRを発表していますが、イスラエルにあるエメンド研究所の人員については2023年12月末時点で、105名在籍しています。これまで開発してきたエメンド研究所の独自のOMNIヌクレアーゼについては、これまで実験を何回も繰り返して高性能なものを選別して特許取得が可能と思われるものを250種類ほど開発しています。
それをゲノム編集に活用する場合にコンピュータ解析を加えることで、予測性能が格段に向上したという状況から、効率的にOMNIヌクレアーゼを選別できるという体制に変ってきたことと、財政事情もあり、人員については75名ほどを整理解雇し、2024年第3四半期中に30名の体制していく方針を打ち出しています。
米国の体制についてはアンジェスの要員を派遣し、OMNIヌクレアーゼ技術の供与先を開拓していくことと、導出活動を加速化できる体制に移行することを発表しています。
そうした中、3月14日にエメンドバイオ社とスウェーデンのアノッカ社がエメンド社が開発してきたOMNIヌクレアーゼの使用権についてライセンス契約を締結することことができたことは朗報だと思います。ライセンス契約の概要は、OMNI-A4ヌクレアーゼの非独占的使用権をアノッカ社に供与するもので、契約一時金として50万USD(7250万円)、開発マイルストーンとの総額は最大で約100百万USD(145億円:145円/1USD)で、さらに、製品が販売された場合にはロイヤリティを受け取る可能性があるものです。
アノッカ社は従来の療法では救済できなかった固形がんに対して、T細胞受容体改変T細胞(TCR-T)療法を世界に先駆けてゲノム編集の技術を用いて、将来的にはT細胞受容体改変T細胞(TCR-T)療法の世界スタンダードを目指しています。
なおアノッカ社は、エメンドバイオ社のOMNIヌクレアーゼを使って固形がんの治療法を開発するために2024年の臨床開始に向け開発を進めています。
11月4日~6日にスウェーデンのストックホルムで開催されるBIO-Europe2024に、業界のリーダーたちとともに、TCR-T細胞療法の変革の可能性について取り組んできたアノッカ社が、イベントスポンサーの一員として、議論する予定となっています。